(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会は、 労動安全衛生法第87条の規定に基づいて労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントを会員として、我が国の安全衛生の水準の向上に寄与することを目的として設立された全国唯一の団体です。労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントは、厚生労働大臣の行う試験に合格し、長年携わった業務を通じて培ってきた知識や技術、経験などに基づく安全衛生管理のスペシャリストであります。(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部は、会員約400名を擁する支部であり、法律の改正に伴う行政の周知活動や業界団体、公官庁、民間企業や小売業などの災害防止活動に労働安全・衛生コンサルタントの専門性と経験を活かして診断から改善・教育まで幅広く支援しております。
厚生労働省では、労働災害を減少せせるため「第13次労働災害防止計画」(平成30年度~令和4年度)を実施しております。令和2年度では死亡者数については計画目標を超えた減少となっていますが、残念ながら死傷者数については陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設及び飲食店等で増加となっております。また、事故の型別では、「挟まれ・巻き込まれ」、「墜落・転落」、「転倒」などが多く、行政ではそれらの発生防止対策を令和3年度の重点施策として取り組んでおります。
(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部では、所属コンサルタントに「転倒災害の発生防止対策」などのタイムリーな施策について定期的に研修会を行っており、職場の指導時に有効な事例を紹介するなど適切な助言ができる教育を心がけております。事業主の皆様におかれましては、顧客からの要望に応えるための納期優先や作業員の配置転換等から予期せぬ災害が発生してしまう場合があると思います。また、新規事業の取り組みや変更など多様化していく職場では、機械設備、施設、材料などの変化だけでなく、高齢化する人材や外国人労働者の増加など複合要因による潜在的リスクの増加に注意しなければなりません。このようなリスクをお感じになった時は、当会東京支部に声をかけて頂ければきっとお役に立てると考えております。
また、社会的に影響が大きい新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月に最初の発症が見られ急速に感染拡大を起こして社会を一変し、国民一人ひとりが不安な毎日を送っております。しかし、医療関係者の努力によりワクチンも実用化され、希望の持てる今日となり、改めて人の英知の偉大さを感じるこの頃でもあります。労働災害も同様に、職場で英知を集約してリスクの軽減に取り組むことで減少できると確信しております。
今後とも、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部の活動につきまして、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年7月11日
東京支部 支部長 塩家 護